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2025/5/19
事業承継・M&A補助金(11次公募)開始!今回はM&A専門家経費のみ!

【専門家が徹底解説】事業承継・M&A補助金(11次公募)スタート!
1. 11次公募がスタート!
2025年5月9日より、事業承継・M&A補助金の第11次公募の申請受付が開始されました 。本稿では専門家の立場から、この補助金の概要、対象者、対象経費、申請方法などを初心者にも分かりやすく解説します。
✓ 会社をM&Aで買いたいと思っている経営者
✓ 後継者が見当たらず売却を検討している経営者
✓ 今後の事業展開に悩んでいる経営者
の皆様はぜひご一読ください!
2. なぜ今、M&Aなのか?
ご存知の通り、中小企業経営者の高齢化は進行し、70代以上の経営者が全体の約2/3という状況です。そしてこの半分に後継者がいないと言われています。もちろん、事業の将来性や、従業員の雇用維持に対する責任感も経営者の肩に重くのしかかっています。このような状況下で、M&A(企業の合併・買収)は、単なる窮余の策ではなく、買い手にとっては成長戦略の一環として、売り手にとっては築き上げた事業と従業員を守るための有力な選択肢として、その戦略的重要性を増しています。
しかしながら、M&Aは法務、財務、労務、事業統合など、多岐にわたる専門知識と慎重な手続きを要するものです。また魅力的な企業の売買ほど多額の資金が動きます。M&Aのトラブルも増えており、価格算定の不透明さや契約内容の不備、売却後の予期せぬトラブルといった懸念は、多くの経営者が抱く不安でもあります 。
こうしたリスクを乗り越えM&Aを成功に導くためには、経験豊富な専門家の支援が不可欠です。今回公募が開始された「事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)」は、まさにこの専門家活用にかかる費用を補助するものであり、M&Aをより安全かつ効果的に進めるための追い風となるでしょう。
政府がM&Aにおける専門家活用を支援するという事実は、M&Aが中小企業の事業承継や成長戦略における正当かつ有効な手段であるという社会的な認識を反映していると言えます。
3. 詳細解説
3.1. 補助金の目的は?
この補助金は、中小企業者および個人事業主による事業承継、事業再編、事業統合を後押しすることを目的としています。具体的には、M&Aを通じて経営資源の引継ぎを行い、地域経済の需要や雇用を維持・創出し、ひいては日本経済全体の活性化に貢献する取り組みを支援するものです 。
3.2. 今回の公募の焦点:「専門家活用枠」のみ
今回の第11次公募は、「専門家活用枠」のみ実施されます 。過去の公募で存在した「経営革新枠」や「廃業・再チャレンジ枠」は、前回に引き続き今回も対象外となっています 。
3.3. 誰が申請できる?
補助対象者は、基本的に中小企業基本法に定める中小企業者等(個人事業主を含む)です 。資本金または従業員数で定義され、業種によって基準が異なります。
主な要件としては、資本金5億円以上の法人に100%株式を保有されている中小企業者等ではないこと、直近過去3年間の課税所得の年平均額が15億円を超えないことなどが挙げられます 。一方で、社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人などは対象外となります。
また、買い手の場合で、法人は申請時点で設立登記後3期分の決算が完了していること、個人事業主の場合は開業届提出から5年以上経過していることなどが求められます。
詳細な要件は多岐にわたるため、公募要領の熟読が不可欠ですが、主要な適格性基準の概要は以下の通りです。
表1:主な適格性基準の概要
基準カテゴリー | 買い手支援類型(I型)の主な要件 | 売り手支援類型(II型)の主な要件 | 主な共通要件・除外要件 |
基本的な事業者タイプ | 中小企業者、個人事業主 | 中小企業者、個人事業主(または中小企業の株主) | 中小企業基本法上の定義(業種ごとの資本金・従業員数基準)を満たすこと |
事業継続年数 | 法人:設立登記後3期以上の決算・申告完了済。個人:開業届提出後5年以上 | 法人:設立登記後3期以上の決算・申告完了済。個人:開業届提出後5年以上 | |
親会社等の状況 | 資本金5億円以上の法人に100%株式保有されていないこと | 資本金5億円以上の法人に100%株式保有されていないこと | |
所得上限 | 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円以下 | 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円以下 | |
対象外となる法人格等 | 社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人、学校法人、組合(農協、生協等)などは対象外 | ||
M&Aの形態 | 株式取得や事業用資産の譲り受けを予定していること | 株式譲渡や事業用資産の譲り渡しを予定していること | グループ内再編や主として親族内承継を目的とするものは対象外となる場合がある。実質的な事業再編・事業統合であること。 |
その他の主要条件 | デューデリジェンス(DD)の実施が必須 | 法令遵守、事務局への協力体制が整っていること |
3.4. どんな費用が対象?
補助対象となるのは、M&Aで専門家を活用するために支払われる経費です。具体的には、FA(ファイナンシャルアドバイザー)やM&A仲介業者への手数料、デューデリジェンス(DD)費用、その他専門家(弁護士、会計士、税理士など士業や大学教授等)への謝金などが中心となります 。
ざっくり言えば「M&Aで直接企業を買う費用は対象じゃないけど、その価値を算定する専門家の報酬は対象になるよ」というイメージです。
重要な注意点として、これらの経費は補助金の交付決定日以降に契約・発注し、かつ補助事業期間内に支払いが完了したものである必要があります。交付決定前に発生した費用は対象外となるため、手続きの順序には十分な注意が求められます。
M&Aは仲介業者に依頼しないと話が進まない面がありますが、補助金の交付決定までは慎重に対応しましょう。
3.5. いくら補助される?
補助金の額は、支援類型や事業者の状況によって以下の通りです。
買い手支援類型(I型)
補助率:補助対象経費の原則3分の2以内
補助上限額(基本):600万円以内
上乗せ措置: デューデリジェンス費用:上記に加えて最大200万円以内
廃業費:上記に加えて最大150万円以内
売り手支援類型(II型):
補助率:補助対象経費の原則2分の1以内
※ただし、物価高騰等の影響で営業利益率が低下している、または直近決算期が赤字であるなど、経営状況が厳しい場合には3分の2以内に引き上げられます 。
補助上限額:原則として買い手支援類型に準じますが、M&Aが成約に至らなかった場合は上限300万円となります 。
上乗せ措置(廃業費):上記に加えて最大150万円以内
(ただし、関連する経営資源の引継ぎが補助事業期間内に実現しなかった場合は対象外)。
いずれの類型においても、補助下限額は50万円と設定されています 。詳細は公募要領を必ずご確認ください。https://jsh.go.jp/r6h/materials/
3.6. 重要な日程・期限(スケジュール)
申請受付期間: 2025年5月9日(金)~ 2025年6月6日(金)17:00(厳守)
補助事業期間: 採択された場合、補助対象となる事業を実施できる期間は、2025年7月(上旬予定)から約12ヶ月間を想定しています。
申請受付期間が約1ヶ月と非常に短いため、関心のある経営者は迅速な情報収集と準備開始が求められます。日々の業務に追われる中で、このタイトなスケジュールに対応するためには、早期の検討と、必要であれば専門家のサポートを得ることが有効です。
4. 申請成功のための重要ポイント(11次公募特有の注意点)
4.1. 申請手続きはデジタル申請のみ!
第11次公募の申請は、「jGrants(ジェイグランツ)」という電子申請システムを通じてのみ受け付けられます 。紙媒体での申請はできません。
このため「gBizIDプライム」アカウントが必須です。このアカウントの取得には、申請から発行までに通常1~3週間程度を要するとされています。申請締切日である6月6日から逆算すると、gBizIDプライムアカウントを未取得の場合は、直ちに手続きを開始しなければ間に合わなくなります。
4.2. デューデリジェンス(DD)は必須(買い手支援)
買い手支援類型(I型)で申請する場合、デューデリジェンス(DD)の実施が必須要件とされています。
デューデリジェンスとは、M&Aの対象となる企業の経営状況、財務状況、法務リスク、事業内容などを詳細に調査・分析する非常に重要なプロセスです 。日本語では「適正評価手続き」などと訳されます。この調査を通じて、買収対象の企業価値を適正に評価し、潜在的なリスクを洗い出し、買収後の経営統合(PMI)を円滑に進めるための情報を得ることが目的です。
特に中小企業のM&Aにおいては、提示された情報だけでは見えにくいリスクが隠れていることもあり、DDは買収後の「こんなはずではなかった」という事態を避けるために不可欠な手続きです。
4.3. M&Aアドバイザー選び:登録専門機関の活用を!
補助対象経費としてFA(ファイナンシャルアドバイザー)費用やM&A仲介手数料を計上する場合、原則としてそのFA・仲介業者が「M&A支援機関登録制度」に登録されている必要があります。この制度は、M&Aを支援する機関の質を確保し、中小企業が安心して専門サービスを利用できるようにすることを目的としています。補助金の活用を検討する際には、依頼を検討している専門家がこの制度に登録されているかを確認することが重要です。これは、不適切なアドバイザーとのトラブルを未然に防ぐ一助ともなり得ます。
4.4. 対象外となるM&A:不動産取引やグループ内再編に注意
この補助金は、あくまで実質的な事業の再編・統合を伴う経営資源の引継ぎを支援するものです。そのため、単なる不動産売買とみなされるような案件は対象外となります。例えば、従業員の引継ぎを伴わず不動産のみを取得する場合や、事業を営んでいない個人から不動産のみを買収する場合などがこれに該当します。
また、同一企業グループ内での事業再編や、主として親族内承継を目的とするM&Aについても、補助対象とならない、あるいは制約が課される場合があります。補助金の趣旨に合致した、真の第三者間M&Aや事業承継を促進することが念頭に置かれています。
4.5. 申請内容の正確性と誠実性:信頼の基礎
申請にあたっては、提出する情報や書類の正確性が極めて重要です。補助金事務局は、申請内容に関して質問や追加資料の提出を求めることがあり、これには適切に対応する必要があります 。虚偽の申請や不正な手段による補助金の受給が発覚した場合には、交付決定の取り消し、補助金の返還、加算金の支払い、将来的な補助金交付停止、事業者名の公表、さらには刑事罰に至る可能性もあるなど、厳格な措置が取られます 。
繰り返しになりますが、本公募は「事業承継・M&A補助金(専門家活用枠)」の第11次公募であり、他の補助金制度や過去の公募回とは内容が異なります。正確な情報に基づいて誠実に申請手続きを進めることが、採択への第一歩です。
5. この補助金がM&Aをより身近にする理由
M&Aや事業承継を検討する中小企業経営者にとって、専門家への依頼費用は大きな負担となることがあります。FAや仲介会社への手数料、デューデリジェンス費用、法務・税務関連費用などを合計すると、数百万円から数千万円規模に達することも珍しくありません。
この事業承継・M&A補助金は、これらの専門家費用の最大3分の2(売り手の場合は原則2分の1)を、上限額の範囲内で補助するものです。これにより、M&Aにかかる初期コストが大幅に軽減され、これまで費用面でM&Aを躊躇していた中小企業にとっても、現実的な選択肢として検討しやすくなります。これは、M&Aを一部の大企業だけのものではなく、より多くの中小企業にとって活用可能な戦略的手段へと「民主化」する効果があると言えるでしょう。
さらに、コスト負担の軽減は、質の高い専門家へのアクセスを容易にします。費用を抑えるために専門家の選定で妥協したり、必要な調査(デューデリジェンスなど)を省略したりすることは、M&Aの失敗リスクを高める要因となり得ます。本補助金はM&Aの成功に不可欠なベストプラクティスを奨励する仕組みにもなっています。適切な専門家の支援を受けることで、法務・財務リスクを回避し、より安全かつスムーズにM&Aを進め、最終的な成功確率を高めることが期待できます。
6. 補助金を超えて:専門家によるM&A・事業承継計画の真価
事業承継・M&A補助金は確かに魅力的な制度ですが、M&Aや事業承継は、それ自体が企業にとって極めて重要な経営判断です。これらは、企業の将来を左右する出来事であり、そのプロセスには多くの課題が伴います。
多くの中小企業経営者は、適切なM&Aの相手先を見つけることの難しさ、自社の企業価値を公正に評価する方法、複雑な条件交渉、従業員の雇用維持や処遇への配慮、そしてM&A成立後の事業統合(PMI:Post Merger Integration)の進め方など、多岐にわたる課題に直面します。特にPMIは、M&Aの成否を最終的に決定づける重要なフェーズでありながら、しばしば見過ごされがちです。公募要領においても、デューデリジェンスがPMIに資する有益な情報取得の観点からも重要であると言及されており、このことからもPMIの戦略的重要性がうかがえます。
信頼できる専門家(中小企業診断士や認定経営革新等支援機関など)は、単に補助金申請を代行するだけでなく、こうした一連のプロセス全体を通じて経営者に寄り添い、包括的な支援を提供します。具体的には、以下のようなサポートが期待できます。
初期の戦略策定支援: M&Aが自社にとって本当に最適な選択肢なのか、事業承継の目的は何か、といった根本的な問いから共に考えます。
M&A準備支援: 企業価値評価、事業計画の策定、社内体制の整備など、M&Aに向けて企業を「磨き上げる」準備をサポートします。
相手先探索・交渉支援: 専門家のネットワークや知見を活かし、最適なパートナー候補を見つけ出し、交渉を有利に進めるための助言を行います。
補助金申請サポート: 複雑な補助金申請手続きを円滑に進めるためのノウハウを提供します。
PMI計画策定・実行支援: M&A成立後のスムーズな事業統合を実現するための計画策定や、実行段階での課題解決を支援します。
このように、専門家の真価は、補助金の獲得という短期的な目標達成に留まらず、事業承継やM&Aという長期的な経営課題の解決と、その後の持続的な成長を実現するための戦略的パートナーシップにあります。
7. 次の一歩を、確かなものにするために
ここまで、事業承継・M&A補助金(11次公募・専門家活用枠)の概要と、M&Aにおける専門家活用の重要性について解説してきました。
しかし、これらの情報を得てもなお、「何から始めればよいのか」「自社にとって本当にM&Aが適しているのか」といった疑問や不安を感じる経営者も少なくないでしょう。そのような不確実性が、行動をためらわせる原因となることもあります。
重要なのは、最初の一歩として、信頼できる専門家と対話する機会を持つことです。中小企業の事業承継やM&Aを専門とし、認定経営革新等支援機関としても活動する専門家は、個別の状況に応じた守秘義務を前提とした相談に応じています。こうした専門家との相談を通じて、以下のような点を明らかにすることが期待できます。
自社の経営目標や課題に対して、M&Aが適切な戦略となり得るかどうかの見極め。
どの補助金が最適かアドバイス。
複雑な補助金申請プロセスを効果的に進めるための具体的なアドバイス。
事業承継やM&Aの実現に向けた、個社別のロードマップの策定。
不確実性を抱えたまま時間を費やすよりも、まずは専門的な知見を持つ相談相手を見つけることが、事業の未来を確かなものにするための賢明な選択と言えるでしょう。専門家は、単に補助金申請のテクニックを教えるだけでなく、事業承継やM&Aという経営上の大きな決断において、経営者の良き相談相手となり、戦略的なアドバイスを提供することで、企業の価値ある未来を共に築くパートナーとなり得ます。
ひょうご補助金プロサポ―ト
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